校庭に置いてきたポニーテールの頃
自分の気持ちよりも先に、私は大嶋の気持ちに気がついた。

本当は結構前から、大嶋はもしかしてって思っていたんだ。


最初は気づかないふりをしていた。だけど、ヒロのことで私が悩んでいたときから、きっとそうだったんだよね。

大嶋が私のこと見ていてくれたのが嬉しかった。話さない日だって目が合うだけで一日中幸せだった。


大嶋がいなくなるってわかったときは、布団の中で声を殺して泣いた。

素直に大嶋の進学を喜ぶことができない自分にも苛立った。


今だってちっとも立ち直ってない。まだいなくなることが夢であってほしいって思っている。


私も……多分大嶋よりも私のほうが、もうどうしようもないほど好きなんだよ。

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