校庭に置いてきたポニーテールの頃
「ねえ、宮西はタイムカプセルに何を入れたの?」

先週の学級活動の時間で、校庭にある一番大きな桜の木の下に埋めたタイムカプセル。

私達が30歳になる年に掘り起こすことになっている。


私もあれこれ考えたけど、結局自分に宛てた手紙と友達との写真を入れた。


「実は宮西にお願いがあってさ。

俺、これから札幌に行っちゃうだろ?

もしかしたら30歳になっても、俺のところにはタイムカプセルの連絡がこないかもしれない。

その時は宮西が俺のタイムカプセルを開けてくれないか?」


「うん、覚えていたらね」


タイムカプセルを開けるのは15年も先のこと。

今まで生きてきた15年と同じくらいの時間が過ぎているその頃は、私も彼も一体どんな人生を送っているのだろうか想像もつかない。

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