校庭に置いてきたポニーテールの頃
『迎えに来て、駅前にいる』

半分眠っていたのが、その通知音で一気に目が覚めた。

時刻は夜中の2時半。

私は飛び起きて、鏡の前で髪の毛を軽く直してから玄関を出た。


駅前に車を停めるのと同時に、助手席に大樹が乗り込む。お酒とタバコの匂いがふわっと車の中に漂った。


「遅かったね」

「悪い、同期会だったんだ。飲み過ぎたわ」


途中コンビニでドリンクを買ってから、私のアパートに向かった。

助手席に座る大樹は本当に疲れているようでぐったりとしていたけど、私は大樹とは逆で、まるで子供みたいに興奮していた。

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