校庭に置いてきたポニーテールの頃
休み時間になって、いつものようにマナが私達のところにやってくる。

話題はもちろんテストのことだ。唯が言う。


「やっぱりあっかの頭の良さは、昔から変わらないよね」


点数が良くてもこうして褒められるのは恥ずかしくて、私は答案用紙の右上をみんなと同じように点数を隠すように折っていた。


それでも彼女達に「何点だった?」と聞かれたら答えないわけにはいかない。

「内緒」とか言って濁してしまうと、かえって嫌味に聞こえてしまうのではないかと思っちゃうから。


唯もマナも頭が悪いと自分達で言っていたが、二人とも成績はちょうどクラスの平均くらい。

合計点は唯の方が良かったみたいだけど、差は20点くらいだった。

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