校庭に置いてきたポニーテールの頃
「……知らなかった。大変だったんだね」

「今だから言える話だよ。あの当時にそんな話ばっかしてたら嫌味くさいでしょ。

まあでも、今思えばその頃からマナって男運なかったのかもね」


……そんなことない。


マナの中学時代の彼氏の中には、とびきり素敵な彼氏だっていたのを私は覚えている。


「そうだったね。元気にしてるのかな、アイツ」


さっきまで冗談を言うように昔の恋愛を語っていたくせに、急にその彼のことになるとマナはしんみりとしてしまった。

きっとマナもその人のことだけは、他の彼氏と違った思いがあるのだろう。


「え、まさかまだ引きずってるわけじゃないよね?」

「あはは、それはないよ」

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