幕末を駆けた桜
絶対酔ってるな。芹沢鴨。
さすが酒好き…というか、酒強いんじゃなかったのか?
どれだけ飲ませたんだよ。
……主に山崎とか、山南とか。
ニコニコ笑いながら永遠と酒飲ませてそうだよな、あの2人。
それで、何らかの情報を聞き出そうって作戦かもしれないけど。
そんな作戦に引っかかるような男なら、多分だけど八木邸の局長に担がれたりなんかしてないよな。
『……ありがとうございます』
苦笑いを浮かべた僕に気づかず、千鳥足で元の席へと戻って言った芹沢鴨の後ろ姿を見て、思わずため息をつく。
これから、あんなのでやっていけるのか。
思わずため息が出そうになるのを抑えて、沖田と土方から離れて、芹沢鴨の近くに腰を下ろした。
……なんせ、あの2人が近くにいたら、僕の計画を潰してきそうだからな。
自分の隣に座った僕に、わざわざ芹沢鴨自身がお酒を注いで僕に差し出した。
その事に驚いて芹沢鴨顔を見上げると、僕を見てニヤリと口角を上げている芹沢鴨と目が合った。
『お前は、儂に何か聞きたい事があるんじゃないのか?』