幕末を駆けた桜



『坂本龍馬だ。壬生浪士組局長近藤勇殿。
この度は、招いてくれてありがたい』


『いやいや。
こちらとしても、君にかなり興味があってね。
真白君の思想はこの時代には珍しい考え方だが、君もそうだと聞いた』



近藤さんの言葉に、あたりが水を打ったかのように静まり返る。


初めから、本題に入って来やがった。


坂本も驚いたように目を見開き数秒固まった後、口角を上げて近藤さんと目線を合わせた。


『俺は、幕府など要らないと思っている。
それは真白も同じ意見だ』


『気にくわないが…まぁ当たっている』



坂本の言葉に続けてそう付け加える。

『では、そう考える理由を聞いても?』



僕たちの言葉に数回頷いた近藤さんは、次の質問へと移る。

その質問は、結構近藤さん自身も気づいてるとは思うんだけど。


鴨さんが言っていたように。


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