幕末を駆けた桜
……なら、何故坂本が此処にいる。
この3人と坂本の共通点と言えば、薩長同盟の中継ぎくらいしか思い浮かばないが…まだ、そんな時期じゃないだろう?
確かに、少し歴史は変動しているが流石に早すぎる。
『お主の噂はかねがね伺っている。
剣の腕が立ち、頭の回転も速いと』
それと…お主が佐幕では無く倒幕派で有ることもな。
と付け加えた桂小五郎を見て、思わずため息がこぼれた。
成る程…な。
こいつらは、あわよくば僕から壬生浪士組の情報を聞き出したいという訳か。
『……だとしたら…?
確かに僕は倒幕派だが、壬生浪士組の奴らを危機に晒す様な事はしない。
僕が忠誠を誓ったのは、あくまでも幕府では無く近藤勇殿だ』
近藤さんの命の危機であらば、命を持って近藤さんを守る。
それは、この事だけは他の壬生浪士組の奴らと何ら変わることのない事実だ。