幕末を駆けた桜
新選組の屯所の前。
僕は、門番の隊士に止められていた。
……この隊士、見た事ない。
僕の、見た事ない奴だ。
史実に、こんな時期に新しく新選組へ隊士が入るなんて書いていなかった。
その上、今は鴨さんも生きている。
あの人が、そうやすやすと新選組に新しい隊士を入れるはずがない。
あの、新選組大好きなあの人が、一月そこらで見知らぬ人を一気に入隊させるわけがない。
ましてや、門番なんてそんな事をさせるはずはない。
と言うことは、これはこちら側…土方達の差し金だ。
土方達が連れてきた隊士は数少ない。
その上、一月で入隊。
つまり……こいつらは、藤堂さんが連れてきた、伊東甲子太郎の仲間。