幕末を駆けた桜

計画




山南さんを八木邸へと送ってからはや1週間。


未だに僕は伊東甲子太郎を見ていない。


というのも、土方や沖田がワザと僕と伊東甲子太郎を接触させないようにしているようにも感じる。


……理由は、僕が挨拶に行きたくないと言った事を沖田が土方に報告したから、だろう。


土方と沖田は、僕があいつの事を嫌っているのを察したらしい。


藤堂さんは憧れの人であるあいつを僕と会わせようとしているらしいが、土方から言われたのだろう永倉さんと原田さんが、一々それを妨害していた。



確かに、僕はあいつが嫌いだし…というより、見たくないほど嫌悪しているが。

会わなければ、あいつを此処から追い出す算段を作ることができない。

そうなれば、山南さんを呼びに行く期間が遅れてしまう。
……それは避けたいんだよな、僕自身の為に。



山南さんは僕にとっても新選組にとっても必要な人だというのに、頭の固い土方はちょっと仕事ができるからといってあいつを上にしたわけだ。


それが気に食わない。


まぁ、藤堂さんを連れていく上に近藤さんを観察しようなんて企むような奴は最初から気に入ろうとも思わないけど。



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