幕末を駆けた桜
現代
外から、部活をしている人達の声や、蝉の鳴く音が聞こえてくる。
外では日差しが照りつける中、冷えた室内で、静かに座り、本に目を通す。
日本史を勉強するうちに、少し興味を持ったのだ。
新撰組という、誠を背負って散った彼らの事を。
僕達のこの平和すぎる現代がある理由は、きっと誰もが知っているはずだ。
坂本龍馬が対立していた薩摩と長州を結びつけ、倒幕の動きを示した……。
今とは違い、刀を持ち、強さで上に登る時代から、彼らはこの平和な時代を作り上げたけれど。
会津藩お預かりであった彼らは、敵対していた倒幕軍に敗れ、様々な形で生を終えた。
その終え方は、お世辞にも易しいものではなかったが。
読み終えた本を閉じ、音を立てないように立ち上がって本を元の場所に戻す。
僕が興味を持ったのは、そんな彼らで。
どの本にも、忠実な歴史が書かれており、ある程度の事は理解したつもりだ。
時代劇やゲームのキャラクターなんかに出てくるからか、少なからず、この時代でも人気のある彼らだけれど。
その生涯を知っているものは、その中のどれくらいなんだろうか。