幕末を駆けた桜
同盟
対談
『お初目にかかる、新撰組局長近藤勇殿、芹沢鴨殿。
私は桂小五郎だ』
『高杉晋作』
『坂本龍馬。久しぶりだが、俺も一応』
桂に続いて、高杉と坂本が頭を下げる。
それを見終えた近藤さんと土方と鴨さんと沖田は、同じように自己紹介をしてから頭を下げた。
新撰組と長州の対談。
まさか、実現するとは思わなかったが、土方の協力によりどうにかこぎつけることが出来た。
逃げの桂と言われているだけあり、桂と会うのは大変だった。
土手側で寝転がってたら自分から寄ってきやがった時は思わず殴りかかってしまった。
『おい、今回の話の目的、ちゃんと理解しているよな』
『当たり前だ。そちらこそ、分かっているだろうな?』
高杉の喧嘩腰の言葉に、土方が眉をピクリと反応させながらそう言った。
異様な空気が流れる近藤さんの部屋に、高杉、僕、桂、坂本。
その向かいに土方、近藤さん、鴨さん、沖田が座っている。
……なぜ僕がこちら側なのかというと、4対3で話しにくいというのが1つ。
あと1つは、いつものように理解不能な高杉の言葉によってだ。