幕末を駆けた桜
ここから僕が土方達と話してもいつもの様にしかならない。
折角走り回って桂を見つけたんだ、活躍してもらわなくてはな。
そう思い桂を見やると、僕と目があった桂は考えを察したのか、苦笑いを浮かべた。
『……そろそろ、本題に入らなければ真白が怒りそうだな。
近藤勇局長殿…芹沢鴨局長殿。
まず始めに、其方の外国と幕府に対する見解を伺いたい』
本当に、何も遠回しな表現を使わずに言いのけた桂に内心感心しながらも、近藤さんと鴨さんの言葉に神経を集中する。
聞きたかったが、僕が今まで強く聞けなかった事だ。一語一句聞き逃すわけにはいかない。
『……外国に対しては、実践経験のない儂等が口にするのはどうかと思うが、真白の話を聞いている限り、攘夷は無理だと嫌でも理解させられたわ』
『それについては私も芹沢さんと同じ意見だ。攘夷をすることは容易いことではない』
鴨さんと、鴨さんの言葉に続けてそう言った近藤さんに、桂がすっと目を細める。
『では…幕府に関しては?』