幕末を駆けた桜


『疲れてる所悪いが、真白、お前城間から受け取ったか?』


上から僕の顔を覗き込みながらそう聞いて来た土方に、先程の銃弾を思い出し上半身を起こした。


『ああ。確認した。
素晴らしい鍛冶屋だな。完璧だったよ』


『……そうか。なら、明日の戦で早速使ってみるか』


少し考え込んだ後そう言った土方に頷いて、明日に備えて寝る事にし、勢いをつけて立ち上がる。


久しぶりの戦だし。少し張り切っていこうかな。


『ああ、そうだ。真白、お前明日出るつもりだろ?
別に良いが、怪我するんじゃねえぞ』


『……ああ』



思わずなんで知っているんだと突っ込みたくなるのを抑えて、溜息を一つついて道場を出た。

あ、藤堂との約束忘れてのに今気づいたよ。
でもまぁ……疲れたし、別に今度で良いか。

はじめに沖田とやったのが間違いだったな。


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