幕末を駆けた桜



『……おい』



『なんだ?』



イツノマニカ目の前に立っていた土方歳三に言葉を返すと、眉間に寄せたシワが一層深くなる。



『お前、口のきき方に注意しろ。
今からお前はここの隊士なんだ』



……やっぱり隊士になる事は避けられないのか。



まぁ、ポジティブに受け取ろう。

壬生浪士組内にいれば、容易に芹沢鴨と話せる機会が得られる。


残りの尊王攘夷派は…山南敬助と藤堂平助。



山南敬助は、脱藩の罪で切腹させられたはずだから…。




……やる事、多すぎるよねこれ。



歴史を変えるというのは、案外簡単ではないらしい。



ていうか、歴史って変えても良いものなの?



僕が歴史を変えたら、現代では誰かの存在が消えて誰か別の存在が誕生するとか。



もしかすれば、現代でも未だに刀を持った侍たちが歩いているような事態になるかもしれない。



……いや、多分それはないか。





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