幕末を駆けた桜
にっこりと真っ黒い笑みを浮かべた沖田総司と、青筋を立てて怒りをあらわにする土方歳三。
……まぁ、こんなキャラなんだろうな。
どちらかといえば、イメージ通りだけど。
『……近藤勇さん。
僕は隊士になるんですか?』
『そうだな、隊士になってもらいたい。
それと、近藤とでも呼んでくれ』
沖田総司と土方歳三の言葉を無視して近藤勇にそう聞くと、近藤勇…近藤さんは人当たりの良い笑みを浮かべた。
後ろで何か言っている2人は、再度無視する。
てか、気づけよ。
近藤勇の隣で斎藤一が哀れんだ目を向けてるじゃん。
『真白。俺とも手合わせしてくれるか?』
哀れんだ目を向けていた斎藤一と目があったかと思うと、僕に近寄ってきた斎藤一がそういった。
『……僕が?』
『ああ。駄目か?』
…まさか、自分が斎藤一から手合わせを願われるなんて、数時間前は考えてもいなかったのに。
現代…ここでは未来にいた頃が、既に過去になり始めてるなんて変な話だ。
『僕で良ければ、手合わせさせて下さい』
この時代で、僕は何が出来るんだろう。
少なくとも、彼らの運命を変えることだけは…。