幕末を駆けた桜




『土方さん、門の前で待ってると思いますよ』




『そうだねー、まぁ何時もの事だし』



いつもの事って尚更駄目な気がするのは僕だけじゃ無いよな、多分。



これは…思ってたよりも土方さんは苦労してそうだ。



『あ…そう言えばあなたの名前を聞いてませんでしたね。

僕は壬生浪士組の沖田総司です』



そう言って、嬉しそうに笑った沖田さんを見て再度固まる僕と坂本。


またしても唐突に到来して来た緊急事態に、考える時間を増やすために僕も一応名前を言うことにした。




『僕は同じく壬生浪士組の神楽真白です。
最近入隊したので分からないとは思いますが…』



自分の名前を告げながら、目で打開状況を考えろと訴える。


坂本も、それが通じたのか慌ててどうしようか目を泳がせた。




『間違いであれば失礼なのですが、あなたは坂本龍馬ではありませんか?』





慌てる僕と坂本の事など知らず。



沖田さんの口から、今日1番の衝撃発言が溢れた。




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