俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集

杏の部屋に俺の着替えも常備してあるし、今日はこのままお泊まりしようと宣言通り仕事帰りに家に寄った。

「ふふっ、嬉しいです」
なんて、ふにゃりと笑われたら、理性なんてあっという間に崩壊して、お昼に押さえた欲望ごと杏を求め、堪能した。

明日も仕事なのに、やり過ぎた。
ヤバイ。
高校生のガキかよ。
やりたい盛りはとうに過ぎたはずなのに。

何度目かの逢瀬の後に意識を飛ばした杏の体を丁寧に拭き取って、下着を履かせてパジャマを着せた。
ここまでしても起きない杏に、ごめんと謝罪して、すっぽりと腕の中に納まる小さな体を抱き寄せて俺も眠りについた。

無意識にすりよるように甘えてくる杏に、ムクムクといけない欲望が出てきそうになる自分に苦笑して、猿かよ、と思わず口に出た。

きっと、明日……いや数時間後の朝に目が覚めると杏は顔を赤く染めて、怒るんだろうな。
仕事なのに!って。

手に取るように杏の言葉が推理されて、それすらも愛しいと思えてしまう俺は、もう完治不可能で。

杏を失ったら、なんて想像するのも恐ろしい。
好きすぎて、愛しすぎて、この手の中にある幸せが時に恐怖になる。

どんなときでもこの手で守れるように。
杏に、愛されますように。


願わずにはいられない。
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