俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集

「そうなの。私今カリスマ店員やってんのよ。で、似合いそうなコーデを考えてあげたってわけ。似合ってるでしょ?」

自分で言うなよ。
なんだよカリスマ店員って。
すげぇ可愛いけど!

「だからって、キヨの事いいのか?」

納得しないからな。
しかも俺のあんな事やこんな事を知ってるこいつと杏が一緒にいるなんて心臓に悪すぎる。

そんな心情を知りもせず、にこやかに杏は笑う。
「ふふふ。大丈夫です。ちゃんといっぱいお話しましたし、キヨさんとお話しするの楽しかったです」

「そうよ、恭一には謝る気もないけど杏ちゃんにはちゃんと謝ったから。一応報告。
あのとき杏ちゃんに指摘されて私も憑き物が落ちたみたいにスッキリしたのよ。
なんでこんなのにむきになってたのかしら。
本当に恭一の素行の悪さよね、考えてみたら好き、って気持ちより私がなんとかしなきゃっていう気持ちのが強かったもの。
でも、もう杏ちゃんがいるから。
何かあったらいつでも言ってね。いつでもやっつけれるネタはあるから!
あのときは本当にごめんなさい」

恐ろしいこと言うなよ!
ネタがありすぎてどれのこと言ってんだよ。

「へぇ、色々あるんですか」

少しトーンの下がった声で杏が距離を取ろうと腰を浮かしたのを見破って、すぐさま杏の手を引いて抱き寄せる。

「ないから。キヨ本当に煩い」

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