俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集
「あ、あの!待ち合わせしませんか?」
待ち合わせ?
「お部屋まで戻って貰うより、外で待ち合わせしてお昼一緒に外でランチしませんか?」
えっ?なんで?
ん?顔赤くなってないか?
「い、一回やってみたいなって思って」
いまいち杏のやりたいことの意味が分からない俺はとりあえず言葉の続きを待つ。
「『待った?』『今来たとこ』って、言ってみたいです」
言い終わる頃には俯きながら少しずつ小さくなる声と耳まで赤くなる杏。
倒れそうになるくらい可愛い。
やっべ。
キュン死にしそう。
沸き上がる愛しさに、思わず杏を引き寄せて力一杯抱き締めた。
「ひゃぁぁぁぁぁ。い、痛いですっ」
あ、ごめん。
「ははは。ごめん杏。可愛すぎて止まらなかった。いいよ、待ち合わせしよ?」
なんなのその可愛い台詞。
杏の一言で、日曜日にアポを入れてきやがったなんて思ってたあの会社に感謝してしまう。
「あ、でもスーツですよね。着替えなくても大丈夫ですか?」
「うん、平気。それにスーツの方がオフィスラブっぽくていいじゃん」