俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集

「ん?大丈夫だよ。じゃぁそうしようか」

いかんいかん妄想し過ぎた。
気取られないように優しく微笑んで来週を心待ちにする。

「ふふふ。はい!楽しみですね」

俺も楽しみだよ。

※ ※ ※

予定通り、いやそれ以上に早く打ち合わせが終わる。
午後からの事を考えると浮き足立つどころか楽しみすぎて仕事がはかどる。
今なら何でも出来る気がする。
時間に間に合わなくなるから何にもしたくないけど。

杏との待ち合わせは13時。
後30分、杏が来る方向に視線を向けて早く来いと願いながら待つ時間。
良いな。
待ち合わせってドキドキするかも。

杏の事だからきっと早めに来るだろう。
ざわざわと騒がしい人混みのなかでもきっと俺は杏の事だけはすぐに気付くんだ。
ほら。
いつもより早いペースで歩いてこちらに向かってくる杏を見つけた。

キョロキョロと俺を探しながら歩いているから危なっかしい。
人よりも少し低めの身長は人混みの渦に巻き込まれるようにあたふたしてる。
可愛すぎるんだけど。

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