俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集
それはとある日常。
たまに重なるお昼休みは皆で社食ランチを取るようになっていた。
お隣には恭一君。
お向かいには華ちゃんと、加藤さん。
なんだかんだと仲良しで、そんな時間がとても大切で。
あっ、そうだ。
「あの、恭一君。来週の土曜日なんですけど、私高校の同窓会があるのでお出掛けしてきますね」
お弁当を口に運びながら、とりあえず決定事項として報告する。
「はっ?」
「うわーいいじゃん。どこであるんだよ?」
何故か眉間にシワがよる恭一君と、パッと顔を綻ばせる加藤さん。
相反しすぎておもしろいかも。
「えっと、この前行ったオーラルです。うちの高校人数が多くて、今回は学年全部を呼んでいるらしくて、だからかな?ホテルになったみたいですね」
「聞いてないんだけど?」
「えっ?今言いましたよ?」
「いつ参加の連絡したの!?」
「んー……春先でしたかね、人数が多いからか早かったですよ?」
「ククク、お前らが付き合う前だからしかたねぇな?」
加藤さんの台詞に、あぁそう言う事かと理解する。
それで機嫌が悪くなった?
さっきまでの雰囲気がみるみる変わって、恭一君の纏う空気がピリピリする。
「あの、言うのが遅くなってごめんなさい?ですか?」
「っ、いや違う」
目の前にはにやけた二人。
私には分からない恭一君の拗ねた理由が二人には分かるんだろうか?
「恭一君?何か私、しましたか?」
「っ、」
「あーぁ、かわいそー笠原のこと苛めるなよなー」
「だから、杏にははっきり言わないと分からないって言ってるでしょ?」