俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集
「うーん。そうねぇ、どうかしら?杏に関しては特に関係ない気がするわ」
何故!?
華ちゃんはいつも恭一君からちゃんと聞きなさいと言ってすぐに答えをくれない。
私達の問題だし、それが正しいことも分かってる。
だけど、毎回毎回自分がふがいなさすぎて恭一君に申し訳なくなる。
夜、電話ではなく恭一君は仕事帰りに家に来てくれた。
彼の着替えも数着常備されているようになっていった為、突然のお泊まりにも対応出きるようになった。
そんなリアルが少し恥ずかしくて、でも嬉しかったりする。
恭一君が呪文のように私に繰り返し言っていた意味はあまりよく分からなかったけど、『とりあえずその通りにして欲しい』と言われたので、頷いておいた。
説明を聞くのもそろそろ疲れたし。
それで恭一君が安心してくれるなら。
でも、なんでお酒を飲んじゃ駄目なんだろうか。
新たに連絡先を教え合うのも駄目なんて。
私の少ない友人は既に連絡先なんて知っているんだからわざわざ言う必要なんてないのに。
帰りに迎えに来てくれるなんて申し訳無さすぎるのに、頑として譲らない恭一君に折れることになった。
携帯も、お迎えの時間まで鞄から出すな、なんてどんなお願いだろう。