俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集
今日の為に新調したベージュの膝上シフォンワンピース。
キヨさんのお店で選んでもらったものだ。
膝が見えるくらいの丈な為、そこまでミニと言うわけではないが、それでも少し恥ずかしい。
冷房も効いているだろうからとふんわりとした五分袖はありがたい。
アクセサリーと鞄をパーティー仕様からカジュアルな物に変えればプライベートでも使えるわよ?
なんてカリスマ店員さんは教えてくれた。
ホテルの同窓会とあって、メイクも少しだけ華やかにしてみた。
これもキヨさんと華ちゃんからの指導の賜物だ。
行き道くらいは電車を使うと言ったのだけど、オーラルまではそこまで距離もないため送っていくとこれまた恭一君は譲らない。
頑なに「17時に迎えに行くから」を繰り返し、今私はそれを待っている状態だ。
既に用意は出来ているが、18時開始の同窓会に今すぐ出るには早すぎる。
家でお茶くらい飲んで行こうかな。
そう思い、コーヒーをいれはじめたときに家のチャイムが鳴った。
時計を見れば16時半過ぎ。
早くないかい?恭一君。
手にはコーヒーの為のやかん。
外にいるはずの恭一君に声をかける。
「ごめんなさーい。手が塞がってて。入ってきてもらえないですか?」
合鍵を渡しているためそうお願いしてみた。
ガチャリ、と鍵が回る音がして何故かにやけた恭一君が入ってきた。
どうした?
「恭一君、今日はありがとうございます。まだ早いのでコーヒー飲みませんか?」
にやけていることはスルーして、声をかけたままコーヒーの準備を再開した。
いつものようにソファーに座る恭一君。
後ろから物凄い視線を感じた。