俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集
恥ずかしさを誤魔化すように恭一君にお礼を言って、茜ちゃんをみると茜ちゃんの顔も赤くなっていた。
うん。
分かるよ、その気持ち。
コホン、と小さく咳払いをして茜ちゃんはにっこり笑いながら私と再び向き合った。
「それにしても、杏ちゃん可愛くなったねー。元々凄く可愛かったから眼鏡をやめて、前髪を上げてればいいのになぁって、思ってたの!
やっぱり可愛い!」
いきなり容姿を褒められて、ビックリしたけど嬉しかった。
「茜ちゃんも、今日も可愛い。私、茜ちゃんのその綺麗な髪とかスラッとした身長とか、大好き。
相変わらずお顔も小さいねぇ」
「ククク、何言い合いしてんの」
女子特有の誉め合いトークをやってきたコーヒーを啜りながら恭一君が、笑う。
くそう。
様になってるな。
「や、あの、その、ごめんなさいっ、」
茜ちゃんが真っ赤な顔をして俯いてしまった。
「もうっ、恭一君!あのですね、恭一君の王子フェイスは初めて接する人には強烈なんですよ?控えてください!」
「顔を?ククク、どうやって控えるんだよ」
「うーん。眼鏡でもかけてみます?」
「杏みたいに?」
「瓶底メガネみたいなやつです」
「クク、今時あるのかよそんなの」