俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集
「茜ちゃん、優ちゃん迷ってたって」
気を取り直して茜ちゃんに報告する。
茜ちゃんは困った顔をして「変わってないね」と苦笑した。
「じゃあ、行こうか?
恭一君、ありがとうございました」
「楽しんでこいよ。終わったら連絡しろよ?」
フッ、と笑って頬をするりと撫でられた。
それだけで頬が熱くなる。
恭一君と別れて、同窓会会場の木蓮の間へ向かった。
会場前にはたくさんの人がいて、なんとなく見覚えのある人や、全く分からない人があちらこちらで談笑している。
皆大人っぽいなー。
本当に同じ歳?
受付に向かうと「笠原さん!?」と声をかけられた。受付で名前の確認をしてくれている女の子が驚いた声で目を見開いている。
えっ?
何?
「うわー。本当に笠原さん?凄く可愛いーあっ、眼鏡やめたんだ!
いいじゃん、いいじゃん。あっ、私のこと覚えてる?
3年生のとき同じクラスだった橘よー。
橘円(たちばなまどか)だよー」
「あっ、橘さん!お久しぶりです」
「ねー久しぶり。あ、これ名札ね。
人数多いし、名札つくってみたの。
シールだからさ、適当に付けてて。
鞄とかでもいいし」
「はい。分かりました」