俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集
「………………杏?」
「ふふっ、恭一君好きです。今日、迎えに来てくれて嬉しかった。皆にカッコいいって言われて、えへへちょっと鼻高でした」
「っ、」
「嫌なこと……でもないな。よく分からないこともあったけど、楽しかったです」
「杏?」
「うふふ、早く…………ぎゅっって……し……」
「杏?、おい、杏?━━━━━マジか。」
あぁ、駄目。
頭がぼんやりする。
でも、楽しかったなぁ。
恭一君、かっこ良かった。
うふふふ、堪らなく幸せです。
にへらと笑みを浮かべて、頭の中がお花畑のような状態で。
適度な緊張と高揚、安心と幸福。
一日の目まぐるしい感情の起伏に私は車のなだらかな揺れと共に意識を手放した。
幸せな眠りだった。
━━━ fin ━━━