俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集

送り届ける……わけはなく、俺のうちへ連れて帰るその車中、杏のせいではないとはいえ小姑みたいに響かないであろうとも説教が口に出てしまう。


杏に群がる男どもの気持ちも分かるんだよ?。
まぁ俺は?群がられてた方だけど。
可愛い女の子に近づきたい気持ちも、男なら誰でも持つものだ。


だけど、杏に近づくのは許さない。
過去のあれこれに罪悪感を感じないわけはないけれど、そんな事すら棚にあげてがんじがらめに縛り付けてしまいたい。


ただでさえ今日は同窓会用に着飾って可愛すぎるのに、
俺の顔を見て安心して。
人前なのにすがりついてきた。


やっと二人になれた車内では、あれだけ言い聞かした無防備さと無自覚さと危機感のなさを暴走させて、運転中で手が出せないのに煽りまくってきやがった。




『ふふっ、恭一君好きです!今日、迎えに来てくれて嬉しかった。皆にカッコいいって言われて、えへへちょっと鼻高でした』




止めにこの台詞。
………………キュン死にするかと思った。


煽りに煽りまくって、マンションまであと少し、なんて所で杏の意識は飛んでって、スースーと一定のリズムを刻む寝息が聞こえてくる。


おいっ!どおすんだよ!
おさまんねぇよ!!!



可愛い可愛い俺の、杏。
きっと、これからも振り回され続けるであろう俺の未来が想像できてしまう。




━━━━━━━━━━はぁ。
寝顔も可愛いんだよな。
堪んないわ。




━━━ fin ━━━




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