俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集
溺愛中枢崩壊
地元の友人に誘われて、週末の夜に呼び出された。
この前の杏の同窓会で再会した佐藤が、俺と杏の話が聞きたい、と。
俺がマジだ、と。
地元のツレらに触れ回ったせいで酒の摘まみに呼び出されたってわけだ。
「あの小早川がなー」
「だよなーあの、なぁー」
「その彼女、可愛いんだって?」
「そうそうそう。高校の時は地味で目立ったところなんてなかったからさー俺も全然知らんかったんだよな」
「杏は地味なままでも可愛いんだよ」
「へぇーいいじゃん会わせてよ」
「そーだよなー見てみてぇ」
「無理」
「いいじゃねーかー減るもんじゃねぇしさ」
「何だろうな、小動物系っての?癒し系だわ」
「うわっ、佐藤だけずりぃ」
「駄目、減るから。んで、佐藤も忘れろ。杏の可愛さは俺が独り占めしたいから」
「「「………………………………」」」
本気で、誰だこいつ。
と、思わずにはいられない唖然としたツレの視線もなんのその。
「なぁ、帰っていい?週末は杏といたいんだよね」
砂を吐く甘さに、
「「「気持ちわりぃ」」」
なんて出たのは本気の台詞。
「溺愛中枢崩壊!?」
「そんな可愛いもんじゃねぇだろう」
「変態だ変態」
【完】