斜め上の彼女
「気がついたか?」
後ろからかけられる声。
課長に抱え込まれるようにしてお湯の中に沈む自分の身体。
当然何も身にまとっていないことにハッとし、膝を抱えて身体を丸める。
「佐原、お望み通り抱いたぞ。満足か?」
心の奥がちくりと痛む。
「・・・・・・・・・・はい」
「嘘つき」
お湯の中で急に課長がわたしの身体を持ち上げ、バスルームを出てバスタオルをわたしにかけてベッドに下ろすとまた戻っていき、今度はバスローブを持ってきてくれた。
バスタオルで隠していた身体を素早くバスローブで包む。
ーーーーーーー今度こそ帰ろう。
「かちょーーー」
口を開きかけたわたしの額に手刀。
結構本気の。
地味に痛い。
「言っとくけどな、オレは1回で終わらせる気なんてないからな」
「え・・・・・?いやもうムリ・・・・・痛くて・・・・・」
再び手刀。
「アホか!そういう意味と違うやろ!これからも何回でもするってことだ」