君と出会わなければ
「なーるほどねん。カナエちゃんとのことは、まぁ、まず置いといてさ?ルナはアヤトくんのことどう思ってんの?」
「それは何回も考えたんだけどな~、わっかんないんだよな」
アタシは飲んでたアイスティーの氷をストローでツンツンしながらそう答えた。
たしかに、会ったときはむかついたし、まず服装からしてアウトだし。
それに友達になれたカナエの言葉がどうしても引っ掛かる。
それ抜きにして考えたら、たしかに、最初の印象と違って、優しくてむっちゃアタシに気使ってくれてたし。
「てかまず!初対面なのに、家まで送ってくれるとかどんだけそのアヤトくんて人優男なわけ?!アンナもそんな人出会いたいーーーーー」
アンナは頬っぺたをパンパンに膨らませて、若干拗ねながら話した。
「たしかに、まずないよね。自転車で帰るって結構しつこく言ったんだよねー。アタシ。てか、アンナ、ふぐみたいなってるよ(笑)写メ撮っちゃお(笑)」
━━━カシャカシャ
それから時間はあっという間に経ち、朝から会ってたはずなのに、当たりは仕事終わりのサラリーマンや、学校終わりの学生がうろうろしていた。
気づけばもう夕方の6時になっていた。
「いっぱいしゃべったー!!!アンナなにからなにまでありがと!もうちょっと自分のキモチ確かめるよ」
「それが一番だ!またルナままにも会いに、家行くからまたなんかあったら連絡してね♪」
ルナと地元の駅で解散して、アタシはすぐに家に帰った。