君と出会わなければ


「ただいまーー」


「おかえり!なになに?!ちゃんと化粧した顔ひさびさに見た(笑)女に目覚めたかー?」


「アタシは元から女です(笑)アンナと会ってさ、もっとちゃんとしないとせっかくの出会い逃すぞーって」


「たしかにねー。あんたかわいいんだから、ちょっと化粧するだけでも、もっと綺麗になるよ!」


ほんとうちの親は親バカだ(笑)
アタシの家はお母さんとアタシだけ。
お父さんはアタシが高校生になると同時に、家を出ていった。
たまーに会いたいなーっておもったり。


んま、そんなことはどうでもいい!!!
とにかく今は自分磨きじゃい!!!


アンナに選んでもらった、化粧道具やカラコンを机に広げまくる。
携帯で動画を見たり、調べたりして自分に合った使い方を学ぶ。


「ぁぁぁあああ。もうギブ。でも、明日の学校はばっちり決めていけそう♪」



熱いお風呂に浸かり、今日一日を思い出して、アンナに突然メッセージを送りたくなった。



<アンナ!今日はほんまにありがとう♪明日、早速ちゃんとおしゃれして学校いってみる!!>


━━━チロチロリン♪


返事はすぐに返ってきた。



<自撮り待ってるよー♪アンナは可愛いから自分に素直になれば実るさー!!!ふぁいと!>



「まだ好きって決まったわけでもないのに(笑)」



アタシはアンナの返信を見て、クスッと笑った。


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