君と出会わなければ
嫉妬
「はーい、みんな席つけー!出席とるぞ~」
━━━キーンコーンカーンコーン
担任の挨拶と同時に学校が始まるチャイムが鳴り響く。
「ルナなんで昨日休んだんだよー!俺暇だったし!」
「ごめんごめん!寝坊してさ(笑)」
カズキが朝からテンション高く、アタシに話しかけてくる。
今日も相変わらず制服のカズキさん(笑)
「てか、ルナ聞いてくれよ~、昨日彼女がさ~」
カズキはアタシの方にまたイスを寄せて、話しかけてくる。
入学式のときと一緒やん(笑)
と心の中で笑ってしまう。
カズキは彼女とのメッセージのやり取りをアタシに見せてくる。
ひとつ判明したこと。
それは、カズキの彼女はなかなかに口がきついこと。
どこが好きなの?って聞きたくなるぐらい、口がきつく、素っ気なくて、見てるこっちがイライラしてくるやりとりだった。
「カズキは、彼女のどこが好きなん?言っちゃ悪いけど、アタシはカズキの彼女のことなんにも知らないけどさ、彼氏に向かってさすがに口悪すぎるし、見ててアタシが腹立ったわ~」
「そうだよな...俺さ、昨日学校のあとバイトでさ、バイク乗ってたら見ちゃったんだよな~。彼女が他の男とその、なに?手繋いで歩いてるとこ?さすがに生で見たの初めてでさ、結構きたんだよね、精神的に(笑)」
え、待って。カズキの彼女クソかよ。
カズキかわいそすぎる、アタシが腹立つ。
カズキは強引に笑顔を作って、アタシにそう話した。
「もう、カズキ別れなよ?高校生なったんだしさ、新しい出会いもこれからいっぱいあるし!今の彼女と付き合ってても時間の無駄だとおもうし、カズキの辛そうな顔見てるアタシが精神的にくるわ(笑)」
空気が重たくなりすぎないように、アタシはカズキの言葉を真似してみた。
そして、カズキの背中をポンッと軽く叩いた。
カズキはアタシの前に置いてた、携帯を手に取ると、彼女とのツーショットプリクラだった待受をバイクの写真に変えていた。