君と出会わなければ
━━━ギュッ
「これなら、ルナの顔見られないだろ」
カズキはそう言うと、アタシの頭を自分の肩に触れさせた。
丁度、髪の毛が顔全体を覆ってくれて誰だか分からない状態になった。
んーーーー、でも恥ずかしいから!!!(*/□\*)
「それ以上暴れたらまた傷悪化するからまじでやめて」
カズキはいつもと違う声のトーンでそう言った。
そんな言いかたされたら言うこと聞かないとだめになる...
「着いた!ちょっとここで待ってて」
アタシはマンションのロビーのソファに座らされて、カズキを大人しく待った。
5分ぐらい学校からお姫様抱っこされて、歩いたけど、重くなかったのかな?
てか、ほんとに恥ずかしくてまじでムリ。
「よし!できた!これでとりあえずは大丈夫だと思う」
カズキは、自分の家から救急箱を持ってきて手当してくれる。
慣れた手つきで、消毒をして、ガーゼを当ててくれた。
消毒するときは、歯を食いしばったが、我慢できずに痛すぎてカズキのことを叩きまくってしまった。
...しかもグーで(笑)
てか、なんで家でやらなかった?
ここまで降りてくる方が手間かかるよね?
「なんでここで待たしたの?」
アタシは疑問に思い、前にしゃがむカズキに問いかける。
「なんでって、ふつーに男の家上がるの嫌じゃない?なんかするとかそうゆう意味じゃなくてな!そのなんてゆーか、軽い男って見られたくないしさ(笑)」
「バカじゃない?(笑)」
アタシはクスッと笑う。
だいたい、こんな優しいやつ誰も軽いなんか思わないでしょ。
軽いって言うのはアヤトみたいな人のことを言うんです~。
もうアヤトなんかどうでもいいや!
病んでた自分がアホらしい。