君と出会わなければ


「俺の家学校まですぐだし、その怪我でもサボらず行こ!って気になるやろ♪」


「大きなお世話!!!(笑)」


カズキはそう言いながら、アタシをからかう。

カズキなら、なんの心配もないし。
んま、今アタシが弱ってるから、独りでいるの嫌なだけなのかも。
それにカズキも独りでいるのが嫌なのかな?



「じゃあ、お言葉に甘える!」



アタシはそんなことを考えていると、勝手にOKの返事をしていた。

二人は残っていたご飯を食べ終わると、伝票を持ってレジまで歩く。
伝票を出すと、アタシの出す隙も与えずに、カズキは3000円を出して、親指を立ててアタシに見せる。


「かっこつけんな!(笑)でも、ありがとう♪」


アタシは握りこぶしを作って、カズキの肩に一発パンチを食らわす。
そして、そのあとに満面の笑顔。

アメとムチ(。-_-。)♪



━━━カランコロンカラン


ファミレスを出て、カズキのバイクのところまで二人で向かう。


「ねぇ、このバイク、アタシ見たことあるんだけど?」


「え?そうなん??お、俺は知らねぇ」



お前は嘘が下手なのか...カズキ...
明らかにおどおどしてるカズキ。
もうその態度で誰のなのか分かる。



「美味しかったし♪楽しかった♪アヤト今日はありがとう♪」


「おう!俺の方こそ!」



タイミングよくファミレスから出てきたのは





カナエとアヤトだった。



< 33 / 62 >

この作品をシェア

pagetop