君と出会わなければ
「アタシ、そろそろバイトだからさ!ルナちゃん遠慮せずにゆっくりしていってね~♪」
アスカちゃんは黒いロングのコートを羽織ると、リビングを駆け足で出ていった。
「カズキのお姉さんてきれいな人だね~、てか、あの格好って...」
「キャバ嬢してる(笑)」
納得。(笑)
でも、あんだけ綺麗で気さくで、初対面のアタシに優しくしてくれるアスカちゃん、アタシむっちゃ好き。
カズキはソファから立ち上がると、キッチンに移動する。
「なんか飲む~?」
カズキは慣れた手つきで、棚からコップなどを出す。
アタシまだなにも飲むって言ってないのに(笑)
「んー、何にしよっかな~」
「ルナ、答えるの遅いからもうお湯沸かしてる(笑)ココアとか飲める?」
超絶大好物です。ココア。
アタシはうんうんと全力で首を縦に振って見せる。
カズキは「よかった~」と笑みを浮かべて、作ってくれた。