君と出会わなければ
「カズキ。一緒に寝たい」
「?!え?!?!?!?!」
アタシはカズキの部屋を出て、リビングに戻ってきていた。
薄暗い部屋のなかで、ゲームをしていたカズキは目が点になるほど、驚いている。
「そんな驚かなくても良くない?足怪我してんの。精神的にも怪我してんの。アタシ」
意味のわからない言葉を並べまくる。
今はひとりになりたくなかった。
誰か隣にいてほしかった。
「しゃーないな、子供かよ、ルナわ」
カズキはゲームの電源を雑に切ると、立ち上がり、リビングの電気を消して、自分の部屋に向かう。
アタシはそのあとに続く。
━━━ギシッ
シングルベッドに二人も乗っているからなのか、ギシギシとベッドは音を立てていた。
「ふとんに血ついちゃったらごめん」
「いいよ、べつに、洗えばいいだけだから」
アタシとカズキは、狭いベッドに体を寄せて寝転ぶ。
お互い背を向けて、寝転ぶ。
さっきまでむちゃくちゃ仲良く話してたのに(笑)
「変な感じ(笑)」
「たしかに(笑)」
アタシとカズキは同じタイミングでクスッと笑う。
━━━クルンッ
「どーもどーも(笑)」
お互い一緒のタイミングで、寝返りを打ち、向かい合わせに寝転ぶ。
カズキは照れ隠しなのか、そんなことをアタシに向かって言う。