君と出会わなければ



「なぁ、ルナ?アヤトのこと好き?」


ずっと聞きたかったくせに、アタシが落ち込んでるのを知ってか、ファミレスであの二人を見たあとからカズキは今この瞬間までなにも聞いてこなかった。


アタシはまだ自分の気持ちがわからなくて、返事をできないままでいる。


「俺さ、ルナはアヤトのこと好きだと思う。でも、この際言っちゃうけど、俺、入学式のときからルナのこと気になってた」


「?!?!」


な、な、な、な、な、なんですとぉおおお?!( Д  )


━━━ポンポン


カズキはアタシの頭を優しく撫でると、「おやすみ」と小さく呟き、先に眠ってしまった。


ちょちょちょ、パニック。
アタシのこと気になってた?入学式のときから?

なにこの状況。カズキにとったら、気になってる人が目の前にいて...それがアタシで...


普通だったら手出すよね?
この状況でっせ?!ちょっと手伸ばせば触れれる距離なのに。


こいつ、本当に日本優男選手権で一位とれるんじゃない?(笑)



そんなことを頭のなかでぐるぐる考えるあたし。


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