君と出会わなければ
━━━ピヨピヨ...
窓の外が薄明かるくなる。
結局アタシは一睡もできずにいた。
「カズキ!」
「ほえ?」
寝ぼけたカズキ。
寝癖でぐしゃぐしゃになった、髪の毛をさらに自分の手でぐしゃぐしゃにし始める。(笑)
━━━ムギュッ
アタシは寝ぼけてるカズキの頬を両手で挟み、いじわるをする。
「昨日さ、ファミレスでアタシになに言おうとした?」
アタシのままとカズキが話したあと。
カズキが何か言いたそうだったのを思い出す。
アタシはそれが気になって仕方なかった。
「い、いや、それわ...」
━━━チュッ
「ル、ルナ?!?!」
驚きのあまり、カズキはふとんを投げ飛ばし、飛び起きる。
アタシは自分の唇をとんがるカズキの唇に重ねた。
「アタシ、ずっと寝ずに考えてて。カズキといたら、むっちゃ居心地良くて...急なのはわかってる!わかってるけど、カズキにちょっとでもアタシと同じ気持ちがあるなら、付き合ってほしい。」
「うわー、先言われちゃった????俺から言おうとしたのに!!」
カズキは、その場で正座をして寝癖を慌てて直す。
「俺あのとき、ルナが辛そうな顔してるの見て、俺が支えになれたらいいなってずっと思ってた。俺でよかったら!じゃなくて、俺と付き合ってください!!!」
そう言うと、カズキはアタシを強く抱きしめて、優しく唇を重ねてくれた。
アタシとカズキはそのあと、学校にも行かずに、二人でひたらすら、話したり、料理一緒に作って食べたり、ベッドでいちゃいちゃしたり、初々しさ満点のカップル初日を終えた。