君と出会わなければ



「とりあえずさ!もうあと何日かしたら夏休みやし!夏休みにいっちゃえば??女の子からいくのもアリだと思うよ♪」



カナエとアタシは、駐輪場で帰る支度をしている。
カナエは、自転車に鍵を刺しながらそう話す。


「カナエ、このあとわ?」


「安定にアヤトの家に泊まります♪」



さっきまであんなに泣きそうな顔してたカナエが、いざアヤトに会えるってなると、やっぱり笑顔になってて。

あんな話したあとでも、やっぱりカナエはアヤトが好きで。

体の関係だけになりつつある、二人は大丈夫かな。


って、他人の心配してる場合じゃないのに、アタシは二人の心配ばっかり。



「てかさ!ルナ、今日カズキの家泊まれば?」



「え、え、なんで!!」



「だって、ルナがカズキの家いけば、帰り道一緒に帰れるし~♪アタシ、アヤトに今から行くって電話するから、ルナもしなよ!」



そう言うと、カナエは慣れた手つきで、アヤトに電話をかけ始める。

今日は会う約束してないしな...
それにアヤトと走りに行くって言ってなかったっけ?

んーーーー( ;´・ω・`)



「アタシ、アヤトのオッケーもらったよ~♪」



「は、はやくない?!てか、今日走りに行くみたいなこといってなかった?」



「あー、それ学校終わってすぐ行ったらしいよ~」



カナエは、携帯をポケットにしまうと、自転車にまたがって、ペダルに片足を置く。
早く早くとアタシを急かすカナエ。



もうこの際サプライズで行っちゃお!
電話するのもめんどくさいし!
急にこられた方が嬉しいでしょ♪


と、自分に強引に言い聞かせて、自転車にまたがった。


夜の風は心地よくて、バイクと自転車は全然違うけど。
自転車のほうが、話し声が聞こえやすくて好き。




しかも、なんか青春☆☆☆(笑)



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