君と出会わなければ

このキモチ



「落ち着いた??」


「ごめん...あまりにも怖すぎてつい涙が...お恥ずかしい...」


アヤトは怖がるアタシの隣にしゃがみ、ずっと側で肩をトントンしててくれた。
なぜか分からないが、それがすごく居心地良くて、いつの間にかはち切れそうだった心臓の鼓動はおさまっていた。


「じゃあ、俺行くわ」


「ちょっと待ってよ!!こんな暗いとこにアタシひとり残してく気?!それでも男か!!!」


って、アタシ何言ってんだ...
ずっとそばいてくれた人に向かって...


「てか、アヤト、何しに来たわけ?」


アタシは自分勝手に大声出したくせに、アヤトにとぼけた顔で問いかけた。



「......ま、そゆことって、なんで俺の名前しってんの?」


アヤトが話した内容はこう。


アヤトは偶然なのか奇跡なのか、学校のすぐ目の前の一軒家に暮らしてるらしく。
ベランダでタバコを吸ってた父親がこう言ったらしい。

「今学校から変な叫び声聞こえたぞ~。我が息子よ、面白そうだから見てこい」

「は?!なんでだよ、めんどくせえ」

「アヤト!お前は俺の息子だろ!男なら行ってこい!俺はここからお前を見守る」

とまぁ、こんなやり取りがあって、学校に来たらしい。


アヤトのお父さん神様!ありがとう(T-T)



「てか、よく教室ここってわかったよねー!」


「俺の質問は無視か!んまぁ、靴がここのクラスの下駄箱にあったからな」


あー、なるほど。靴脱いでてよかったと染々思う...




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