新年の幕開けはきみと
そして、操作してじっと見ている。

しばらくすると席を立ち、事務所を出ていった。

すぐに両手に紙コップを持って帰ってきた。

1つを自分のデスクに置くと、もう1つを持ったまま私のデスクまで来た。

「吉岡、ありがとう。良く出来ていたよ。
これ飲んで、ちょっと休憩したら」

そう言って、紙コップを渡してくれた。

「あっ、ありがとうございます」
お礼を言って口をつけると、私の好きなミルクティだ。

「今日はもう、急ぎのものはないんだろう?」

「はい」

「じゃあ、少しゆっくりでもいいよ。
それと、今日は定時で上がるだろう? 良かったら、食事に行かないか?」

突然の誘いに"えっ?"って思った。
その思いが、顔に出てしまったのだろう。

「金曜の夜だし、予定があるなら無理にとは言わないけど」 

「いえ、予定はないです。ご一緒させてください」

慌てて言うと、
「了解! 俺、車だから、銀行の隣のコンビニで待ってて」

坂井さんはそう言って、自分のデスクに戻って行った。





< 4 / 10 >

この作品をシェア

pagetop