新年の幕開けはきみと
「吉岡。後でちゃんと言うけど、いまお前が思っていること、勘違いなんかじゃないから。
たぶん、お前が感じている通りだから。
…今は、運転に集中させて」

坂井さんの運転はスムーズで、30分ほどで目的のプラネタリウムに着いた。

車を降りると窓口へ。
坂井さんがチケットを買ってくれる。
ちょうど入れ替えの時間で、すぐに中に入れた。

坂井さんの隣に座ると、見やすいように横になる。
天井には、とても作り物とは思えない綺麗な星空が広がっていた。

時間になり、説明のアナウンスが流れる。それに合わせて、星空が回り出した。
たくさんの星たちが動き出す。

夢中でアナウンスを聞きながら天井を見ていたので、坂井さんに手を繋がれていたことにも気づかなかった。
それもしっかり恋人繋ぎなんて…

そのことに気付いたときは、恥ずかしすぎて消えたいくらいだった。

40分ほどの星空の旅が終わり、プラネタリウムを出て車に乗り込む。

繋がれていた手が熱くて、胸がドキドキしている。

「吉岡、イタリアンは好き?」

「はい、好きです」

「良かった。じゃあ、これから向かうから」

坂井さんはそう言うと、車をスタートさせた。







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