キンダーガーテン    ~温かい居場所に~
先生を好きだと気づいてから、初めての彩ちゃんのお家。

みんな、なんだか怖い‼

夕ごはんが終わるや否や

「唯ちゃん!先生のこと好きになったんだって⁉」

「付き合うことになった?」

「この間の飲み会のこと、話した?」

矢継ぎ早の質問に、どぎまぎ。

「好きになった…って言うかぁ。気づいたの。
付き合うことは絶対ないよ‼
だって…片思いだもん。
この間の飲み会のことは…」

「片思い⁉」

「そうだって‼」と笑う夏苗ちゃんと海晴ちゃん。

「あんなにアピールしてるのに…
先生も大変だぁ~。」

訳知り顔で話す梓ちゃんに

「唯ちゃん。
貴重な片思い期間。しっかり楽しんだら良いよ。」と諭す彩ちゃん。

もぅ~。せっかく恋だって認めたのに…やっぱり子供扱い。

「絶対先生に話さないでね‼
唯が先生を好きなんて、身の程知らずなことを思ってるって知られたら…
幼稚園に行けなくなっちゃうから。」

「分かった分かった!
大丈夫だよ‼
こんな面白い情報、先生になんて流さないよ!
も~っと悩まさないと楽しくないもん!!」

訳の分からない海晴ちゃんの返事に戸惑っていたら

「大丈夫だよ。唯ちゃんが自分で先生に話さない限り、知られることはないよ。
みんな、唯ちゃんの味方だもん。
唯ちゃんの恋は応援するけど…ちゃんと見守るよ。
だから唯ちゃんは、せっかく気づいた恋をしっかり楽しんだら良いからねっ!」って

そうだよね。

四人は勝手にそんなことしない。

軽々しく話すようなメンバーじゃあないもんねっ!

………安心してる。

先生のことを好きだって認めて、みんなに話したら

なんだか心が軽くなった気がする。

う~ん。良い気分!

窓からは、大きなお月さまが浮かんでた。

今夜は満月。

いつか、彩ちゃんのお家で見たお月さまは…半分で物足りない気がしてたのに

今日は、心と一緒で満たされてるみたい。

恋をするとワクワクするねっ!

大切な友達がいると、安心する。

明日も良いことがありそうだよ。

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