キンダーガーテン    ~温かい居場所に~
「あのね…。
さっき、ここを他の女の人とって言って…怒られたでしょ?
ホントは、前の彼女さん達にヤキモチ妬いてたの…。
ごめんなさい。
唯にとっては、ホントに初めてのデートで…。
なのに…先生には沢山の思い出があって。
唯とは初めてだけど…初めてじゃあないんだなぁ~って思って。
もっと早くに出会いたかったなって思っちゃって…」

我が儘なことを言ってるって…分かってるんだけど…

やっぱりそう思うの。

「そっかぁ~。
…でもね、それならオレだって唯ちゃんの過去に嫉妬することがあるよ。
たとえ公園デートだけで、キスすらしてなくっても…
唯ちゃんは、一年付き合ったって思ってるでしょう?
だったら、唯ちゃんの思い出の初彼はその男の子になるからね。
ヤキモチ妬くよ。
きっと、好きになったら…過去もみんな欲しくなっちゃうんだよね。
でもね、オレもそうだけど…唯ちゃんも過去変えることはできないでしょ?
だから、これから二人で…沢山の思い出を作って…塗り替えていこう。
どうかなぁ~?
オレの過去は無理だけど…これからは全部あげるから…ねっ!」

これからを全部…………。

もちろん、そんなことは無理だって…唯でも分かる。

でも、これから始まるんだって教えてくれる。

一緒に歩いていこうって…導いてくれる。

…………そうだよね。
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