キンダーガーテン    ~温かい居場所に~
「うん。」

「あぁ~でも、ホントに幸せ。
さっきの言葉はヤキモチだったのかぁ~
ごめんね、怒って。
唯ちゃんのことになると、ついムキになって怖い思いさせちゃうねっ。
泣かせたくないのに…泣かせちゃうし。……反省してます。」


浜辺に映る二人の影は、少しだけくっついてて…幸せそう。

写メを撮ったら

「これなら…顔が写ってないから、待受に出きるね。」って

笑いながら…先生も真似してた。

昨日のダブルデートは、緊張して話してないと不安だったけど…

今日はとっても静かな時が流れてる。

それでもそれを苦痛に思う事はなくて…

むしろ、この穏やかな時間を…心地いいって思ってる。

先生といた二日間は、思った以上に近づけて…

一番安心できる人になったなぁ~

「ねぇ唯ちゃん。
さっき、尋ちゃんのことを考えて我が儘をきいたのかって言ったよね?
あれね、"先生との恋って大変だろうなぁ"って思ったし、
"隠さずに過ごせる環境を楽しんでるんだろうなぁ"って気づいたけど…
もしも尋ちゃんが唯ちゃんの妹でなかったら、協力してなかったと思うよ。
唯ちゃんが大切にしてる妹で、尋ちゃんの幸せを願ってたからそうしたの。
オレにとって、考えの基本が唯ちゃんになってるからね。
だから、安心して思ったことを話してね。
常に、唯ちゃんの味方だから。
淋しい、悲しい…嬉しい・楽しい。嫌なこと、して欲しいこと…
とにかく何でもねっ!」

先生はきっと…"帰るのが淋しい"って思ってること…気づいてるんだよね…

楽しい時間が済めば、また一人の時間が来るから。



……淋しいって言ったら…助けてくれる?

ダメだって思うのに…

こんなに優しいと、甘えたくなるよ…。

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