キンダーガーテン    ~温かい居場所に~
「それより唯ちゃん、食べ終わったらデートする?
春休みも残り2日だし、ショッピングでも行く?」

「えっ⁉あぁ~。…行きたいです……………。
行きたいけど…無理です………。
お休みの時間が残り少ないから…新学期までに、お仕事片付けないと………。
それでなくても遅いのに…多めに終わらせておかないと、新しい子が来たら
時間が無くなっちゃうから……。ごめんなさい。」

「そっかぁ~。
泊まったりしたから、夜も出来なかったよね。
…………!!
だったら、二人でやる?
オレの家は……、マズイから…。
図書館なんてどう??
学生みたいで健全だし、唯ちゃんも好きだもんね!」

「あっ、それだったら…はい!」

この後も先生といられてウキウキしてたら……

背中から…視線を感じた。

「お二人さん、仲良しだね~」

「やっほー!唯ちゃん。」

「気づかないんだぁ………?」

「唯ちゃん~淋しかったよぅ~
先生に取られてつまんなかったんだからねぇ~」

一気に騒がしくなった店内。

四人が座ると、お昼のランチコースが運ばれてきた。

「先ずは、乾杯!」

「まさか、ホントに付き合うとはねぇ~」

「感謝してよぅ~!ここまで育て上げたんだから。」

「そうそう!
私達がいなかったら、唯ちゃんの"好き"はなかったんだからね!」

「片思いに気づかせたのも、先生の良いところアピールしたのも…
ぜ~んぶ!私達なんだよ!!」

「あのままだったら、唯ちゃんにとって先生は…
怖いだけのおじさんなんだからね!」

いや~、おじさん…って…。

心で思うことは沢山あるけど…

今、言える勇気はないなぁ~。

先生、ごめんね。

「よし!次は、焼肉だぁ~‼」

大興奮でしゃべり捲る四人。

先生と二人、目で"凄いねぇ"ってアイコンタクトしたら…

目ざとい海晴ちゃんに

「あぁ!!やらし~!
目で会話してる~!!
いつの間に唯ちゃんにそんな技を教えたの!」って…

それにつられてみんなが…

「うちの唯ちゃんが汚された‼」

「教育上に良くない」と大騒ぎ。

散々騒いで、先生をからかってたのに…

メインが来るとあっさり料理に戻ってくれた。
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