キンダーガーテン    ~温かい居場所に~
もぅ~彼氏の先生は、ちょっぴり意地悪だね。

直ぐにからかうんだもん…。

先生がこんなのって…意外だったなぁ~。

もっと生真面目で、大人ってイメージだったから。



…………………でも、ホントだぁ~‼

先生には色んな表情を見せてる………。

ほんの少し前までは、顔色をうかがったり怖がったりしてたのに…。

不思議………。

ぼぅ~っと、考えてたら…

「何を考えてますか?よく、ぼぅ~っとしてるよね。
まぁ、気を許してくれて嬉しいけどね!
ちょっと前までは、ハリネズミみたいにビクビクトゲを
出してたからね!」

「ハリネズミ…………。
プッ‼そうですね。
先生の事…怖くて、気になって…毎日疲れてました。
今も、その時の事を考えてたんです。」

「怖かった時の事??」

「いいえ。
先生って…凄いなぁ~って…。
お付き合いして3週間なのに……唯が一番安心できる人だから…。」

「そっ?」って嬉しそうに笑ってくれた。

「はい。
言葉はまだ敬語が中心ですけど…これはもう癖なので…
でも気持ちはリラックスしてて…
さっき言われた表情もそうですけど…ワガママや泣き顔、拗ねた顔なんて…
両親にも、見せてこなかったから……
両親の仲が悪く、尋ちゃんも淋しい思いをしていたから
唯だけは、笑顔でないと!!っていう思いが強くて。
人の顔色も気になるから、いつもニコニコ笑って過ごしてたんです。
笑ってる人に嫌な顔はしないでしょ?
きっと唯なりの、世の中の渡り方だったんです。
友達に"唯ちゃんは笑顔だけど、何を考えてるの?"って言われたり
先生にも"ニコニコ笑ってないで嫌な事は嫌って言いなさい!"
って怒られたりして……。
でも、ずっとこうして生きて来たから…何が嫌なのかも分からないし
何処を直したら良いのかも想像出来なくて…困ってました。
なのに、ここのところ…
泣いたり笑ったり、怒ったりイジケたり。
自分でもびっくりで…感情についていけてないんです。」
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