キンダーガーテン    ~温かい居場所に~
今まで何度も一人で悩んで……失敗して怒られた。

だったら、先生に話してみるのが良いのかな?

帰って直ぐに自分からかけてみた。

「お帰り。今日は、自分からかけてくれたんだぁ。楽しかった?」

先生の質問に答えることもなく

「先生!教えて欲しいことがあるの‼」っていう唯に

驚きながら

「いいよ。何?…仕事のこと?」

「あのね…恋の…こと。」

「珍しいね、いいよ。何が知りたい?」

「あのね…。先生は…唯が、大人になって…欲しい?…」

「………またそれ?
今のままの唯ちゃんで良いって…言ったよね?もう忘れた?
からかったの…そんなに気にしてた??」

からかう言い方だけど…ちょっとイラッとした声が混じってる。

「あっ…そうではないです!
……あの、あのね…。愛里ちゃんの恋は…子供のものだけど…
積極的で…一生懸命だなぁ~って…。
唯も同じ気持ちなのに…表現できないから、先生にキチンと
伝わってないのかなぁ?…って…。」

「どんな気持ち??」

少し優しさが滲む声に安心できる。

「唯は…"好かれたい"って気持ちが強くて…愛里ちゃんのように…
素直に甘えたり、頼れないの…。
前より随分頼って、甘えてるけど…
ホントはもっと、ワガママ言いたい時もあるけど…我慢しちゃって。
だから先生に"好き"って気持ちが届かないのかな…って…。」

「どんな風に甘えたい?」

「あっ…それは…いいです…。」

「ダ~メ!甘えないから、"好き"が届かなくて不安になるんでしょ?
だったら言って。」

そっかぁ~。

…ここで話さないと、いつもと同じなのか…

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