キンダーガーテン    ~温かい居場所に~
「あの、ワガママで…呆れないで下さいね。
あのね…もっといっぱい、先生の気持ちが話して欲しいの。
唯は鈍いから、先生の気持ちを汲み取ることが難しくて。
それから…もっと色々、先生のことが知りたいの。
好きなこと嫌いなこと、楽しいこと。
普段の先生に…もっと触れたいの…。
デートも、楽しい所に沢山連れて行ってもらえて…嬉しいけど…
先生に疲れて欲しくないから、お家でゆっくり過ごしても良いの。
ただ、時間がある時は…会いたいなぁって…。
お仕事は、間の時間を作って頑張るから…唯の為にデートをお休みして欲しくない。
…一人でいても…淋しくて…お仕事が進まないから……。ごめんなさい。
ワガママいっぱい言っちゃいましたけど……嫌わないで…下さい!」

「…………驚いた‼」

「あっ…ごめんなさい。あの…嫌いに…。
えっと…あの…。先生のことがそれくらい…大好きで…。
ずっと…一緒にいたいって…。あの…上手く言えないけど…
もしも、愛里ちゃんみたいな…積極的な大人の女の人が、現れたら。
先生が離れて行ったらどうしようって…。
考えると不安になって。
先生に唯の好きは…家族愛か友情だって言われて…
違うのに、伝わらないから…どう言ったら良いのか教えて欲しくて…」

少し沈黙して………

「ごめんね。オレのせいで悩ませちゃったね。
唯ちゃんの気持ちは…もう充分伝わったから…大丈夫だよ。」

「えっ‼もう??」

「うん。…っていうか…ホントはもっと早くから伝わってたんだと思う。
ただ…オレがヘタレだったから…キチンと受け止めてなかっただけ…。」

「ヘタレ??」

「そう。ホントは…ヤキモチ妬いてくれたり…
オレを見て嬉しそうに笑ってくれたり、沢山伝えてくれてたんだよ。
けど…
唯ちゃんは…好きになる気持ちが分からないって言ってたから…
オレが期待する程好きでなかったら悲しいと思って…
自然と心にブレーキをかけてたみたい。
"友情"や"家族愛"って…勝手に思い込んでた。
唯ちゃんの心が育つまで見守るって言ってたのに…ダメだね。
ホントにごめん。」

「あの…だったら、急いで大人になろうとしたり
積極的にならなくていいの?」

「もちろん、今のままで…いて下さい。」

「良かったぁ~。三人に、セクシーな服を着て大人アピールをしろって…。
冗談で済まないメンバーだから、困ってたんです。」

そう言うと

「ええっ‼それはちょっと、魅力的だなぁ~」って…

えっ‼先生って、やっぱりそういうのがタイプなの??

頭に浮かんだ、キャバ孃のお姉さまの姿に…アワアワしてたら
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